突発性難聴の治療
2010.07.20 Tuesday [11:52]
臨床工学技士の扱う医療機器には様々なものがあります。その中の一つに高気圧酸素治療装置があります。
私たちの住んでいる大気圧の約2倍の気圧下で高濃度の酸素吸入することで様々な疾患の治療ができます。

以前、歌手の浜崎あゆみさんが突発性難聴のため片耳が聞こえにくいと言う報道がありました。この突発性難聴も高気圧酸素治療の適応の一つです。
私たちの住んでいる大気圧の約2倍の気圧下で高濃度の酸素吸入することで様々な疾患の治療ができます。
以前、歌手の浜崎あゆみさんが突発性難聴のため片耳が聞こえにくいと言う報道がありました。この突発性難聴も高気圧酸素治療の適応の一つです。
私たちが住んでいるこの地球には空気があり、その空気にも重さがあります。普段空気の重さを感じることはありませんが、その空気の重さによる圧力を『大気圧』と呼びます。
この『大気圧』を数字で表すと、地表(海抜0メートル※)では『1気圧』となります。私たちが住んでいる場所はほぼ1気圧と表せます。
※海水面から測った陸地の高さ
この『高気圧酸素治療』では文字通り高い気圧の中で酸素を吸う事で、様々な疾患の治療に役立てられています。
大気中の空気には酸素が約20%、窒素が約70%含まれており、ヒトの呼吸で肺に取り込まれた酸素は、血液中の赤血球色素:ヘモグロビン(以下 Hb)と結びついて全身に運ばれます。このHbは1気圧下で90%以上が酸素と結合しています。Hbの量は人によって若干差がありますが、Hbの量以上に酸素が血液中を流れることができません。
しかし1気圧より高い気圧の中で酸素を吸うと、酸素がHbに結合する以外に大気の圧力で血液の液体成分にも酸素が溶け込むことができ、Hbが運ぶ酸素と溶け込んだ酸素が血液中を流れることになります。これを利用して体内に多くの酸素を取り込み、病気やけがで損なわれた組織の代謝を促し病態の改善を図ろうとする治療が『高気圧酸素治療』なのです。
高気圧酸素治療を行う適応疾患には以下のものが挙げられます。
・一酸化炭素中毒
・網脈動脈閉塞症
・重症熱傷及び凍傷
・難治性骨髄炎
・減圧症(潜水病)
・突発性難聴
などが挙げられます。
上記疾患の中で突発性難聴は歌手の浜崎あゆみさんもなったと言う報道で聞き覚えのある方も多いと思います。
突発性難聴とは原因が不明確で突発的な発症であり、難聴の程度が高度で耳鳴りやめまいを伴う疾患です。
治療方法としてステロイド剤や血管拡張作用剤などを点滴又は内服し内耳の血液循環の改善を目的に行います。さらに高気圧酸素治療も同時に行っていきます。突発性難聴は発症してから10日以上経過してしまうと聴力回復が難しくなってきます。難聴、耳鳴り等症状があれば耳鼻科で診てもらい、医師による診断の上早期に治療を開始することが大切です。
突発性難聴での高気圧酸素治療では、より多くの酸素を身体(血流内)に取り込み、内耳細胞の代謝を促すことを目的としています。
さらに一酸化炭素中毒では火事や練炭自殺などで起こり、救急搬送された場合すぐに高気圧酸素治療を実施します。
また減圧症ではスキューバーダイビングで潜ったあと、急浮上を行うと血液中に溶け込んでいる空気が気泡となって血液中に出てきます。それにより空気塞栓を起こし様々な症状を起こします。この場合も高気圧酸素治療が適応になります。
高気圧酸素治療はあまり知られていない治療方法ですが、実は臨床工学技士がこの治療に大きく関わっています。


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