東海医療科学専門学校 臨床工学科

東海地方で初めて設立した臨床工学科として歴史があります。普段の何気ない学校生活を紹介していきます。

正確な量をきっちり点滴

病院へ行くと、患者さんが点滴ラインにつながれた光景を見ます。その点滴ラインの途中には、キャスターのついたステンレスの棒に四角い装置がついていることがあります。
それが、今回紹介する、輸液ポンプです。

輸液ポンプ・シリンジポンプ01  輸液ポンプ・シリンジポンプ02

臨床工学科1年生の実習において、輸液ポンプ、シリンジポンプの精度を測定する実習が行われました。
 
輸液ポンプ、シリンジポンプは単位時間当たりの設定流量を正確に注入する機器です。臨床の現場では、一般病棟、集中治療室、外来など様々な場所で使用がされています。
輸液の管理、安全性などの信頼から、最も身近な医療機器であるのかもしれません。

輸液ポンプ・シリンジポンプ03  輸液ポンプ・シリンジポンプ04

輸液ポンプ・シリンジポンプ05  輸液ポンプ・シリンジポンプ06


輸液ポンプの量の制御する方法には以下の種類があります。
滴数制御型:点滴筒に光センサをつけて、滴下数をカウントしながらポンプの押す力をコントロールするもの。
流量制御型:ポンプを精密に調整して送る液の量がおコントロールする。

また、輸液を送る方法にも種類があります。
ローラポンプ型:人工透析装置や人工心肺装置にあるポンプと同じ原理のもの(ローラを使用)。
フィンガ型:チューブを指で順序よく押していくような動き。


投与する薬液が微量で効果の高い薬物に関しては、制度の高い注射筒をつかったシリンジ型が用いられます。

輸液ポンプ・シリンジポンプ07  輸液ポンプ・シリンジポンプ08

輸液ポンプ・シリンジポンプ09  輸液ポンプ・シリンジポンプ10

輸液ポンプ・シリンジポンプ11 


輸液ポンプを扱うに当たり様々な注意が必要です。
1.流量制御には専用セットが必要
 ※輸液ポンプと点滴ラインのメーカは同じモノを使用することが望ましい。

2.滴数制御は光センサが命

3.滴数制御は薬液の粘度、点滴筒の傾きに注意する。

4.シリンジ型は専用シリンジを使わないと制度が出ない。
 ※シリンジポンプと注射筒(シリンジ)のメーカは同じモノを使用することが望ましい。


輸液ポンプ・シリンジポンプ12  輸液ポンプ・シリンジポンプ13


<輸液ポンプの安全性>
輸液ポンプの安全性には様々な機能があります。
(すべての輸液ポンプに次にあげる機構・機能が装備されているわけではない)
1.自己診断機能
 CPUをはじめ、電気回路などを電源を入れた時に自動的にチェックし、異常があればアラームで表示する。

2.輸液セット選択機構
 流量制御方式の輸液ポンプでは、この選択機構を用いることにより精度に信頼のおける輸液が可能となる。病院においては、様々な種類の輸液セットを使用している施設もあるため、注意が必要。

3.輸液量補正機構
 主に滴数制御型方式の輸液ポンプに装備され、注入薬剤の粘性による滴下誤差を補正する機能。

4.気泡検知
 主に超音波センサにより気泡を検知し、メッセージとして表示する機能である。製品よって異なるが、回路内気泡0.5mm程度から検出可能。

5.薬液切れ
 滴下センサのある輸液ポンプが有する機構で、滴下センサが感知しなくなった際、メッセージとして表示する。

6.閉塞
 穿刺針内凝固や輸液セットクレンメの開放忘れなど、何らかの輸液回路内圧異常に際し、メッセージを表示する機能。通常の検出圧は、0.4kgf/cm2〜1.3kgf/cm2程度である。

7.流量異常
 流量が設定値に対して異常流量を検出した際や、CPUの暴走または、モータ停止などを検出した際に、メッセージとして表示する機能。

8.電圧低下
 輸液ポンプ、シリンジポンプは通常、バッテリーを内蔵している。バッテリー駆動時にバッテリー残量が少なくなってきた際に、メッセージとして表示する機能である。

9.KVO機構
 KVO(Keep vein open)機構は輸液が完了した際、穿刺部内回路(針先)の凝固を防ぐため、既定値流量(最小流量)で送液を続行する機構である。

10.ドアオープン
 輸液ポンプのドアが開いている、あるいは完全閉塞の場足に、メッセージとして表示する機構である。


輸液ポンプ・シリンジポンプ14  輸液ポンプ・シリンジポンプ15

輸液ポンプ・シリンジポンプ16  輸液ポンプ・シリンジポンプ17

輸液ポンプ・シリンジポンプ18  輸液ポンプ・シリンジポンプ19


輸液ポンプ・シリンジポンプは臨床の現場において使われない日がないくらいに数も多く、使用頻度が高い医療機器の一つです。
臨床工学技士は医療の安全を守るべき、これらの医療機器の保守・管理を行うことは重要と言えます。
今回は簡易的な点検、精度測定の実習でしたが、臨床現場ではもっと詳細に点検を行っていきます。

 
臨床工学技士
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