2010.07.16 Friday 21:38

お腹の中で吸着するお薬

先日の調理実習のブログに引き続き、今回は調理実習の時に三和科学研究所の方に特別講義をお願いしました。
今回はカリウムとリンを吸着する薬の話です。

三和科学研究所01  三和科学研究所02
 
透析患者さんは腎臓の機能が低下しているため、カリウムの排泄が困難な状態にあります。
カリウムを多量に摂取すると、指先がしびれたり、口がしびれ、ろれつが回らない。また不整脈を誘発し、心臓が停止することもあります。

三和科学研究所04

そのため、カリウムを下げる方法がいくつかありますが、内服薬にて食事から摂取したカリウムを吸着する薬が販売されています。その1つが、アーガメイトゼリーです。

アーガメイトゼリー
作用:体内のカリウムを吸着し高カリウム血症の改善
副作用:便秘、腸閉塞、嘔吐、腸管穿孔
適応患者:急性腎不全、慢性腎不全などの高カリウム血症の患者
投与量:1日1〜3回、約75〜150g
内服タイミング:いつでも大丈夫(食後でなくてもOK)
長所:服用時に水が不要で粉薬が苦手な患者でも服用しやすい


アーガメイトゼリーの“アーガ:(寒天)”、“メイト:(共にする、友達)”という意味です。

アーガメイトゼリーは別名「陽イオン交換樹脂」と呼ばれています。
陽イオン交換樹脂は口から摂取され、胃で分散し腸管に運ばれます。主に結腸で作用します。腸管(結腸)で樹脂に含まれると血液中に含まれているカリウムを薬剤中の樹脂が吸着し、便と一緒に排泄されます。


三和科学研究所05


カリウム同様に透析患者さんが制限をしなければならないものの1つにリンがあります。
慢性透析患者さんは腎臓からのリンの排泄ができないため、血液中のリン濃度は上昇し高リン血症になります。

リン値が上昇し、またカルシウムの上昇も伴うと、異所性石灰化(全身の血管などが石灰化する状態)が起こります。透析患者さんの中には心血管系疾患を伴っている患者さんもいるため血液中のリン値を低下させることも重要です。
そこで、内服薬として沈降炭酸カルシウムがあります。


三和科学研究所06


沈降炭酸カルシウム
作用:生体が吸収する前のリンを吸着し血中リン濃度を下げる
副作用:胃のむかつき、便秘
適応患者:慢性腎不全、胃炎などの患者
投与量:1日3〜4回、約1〜3グラム
内服タイミング:食直後(ご飯を食べている最中、もしくは、食後時間をあけずに、すぐに内服)
長所:パイナップル味で飲みやすい

この薬剤は、食事中に含まれるリンを薬剤が吸着し便と共に排泄します。よって、食事中に含まれるリンが消化管と通過し体に吸収される前に薬剤に吸着させる必要があります。よって、この薬は食直後に内服しないと効果が発揮できません。



透析患者さんは様々な薬を内服しています。
毎日飲む薬だからこそ、内服しやすい工夫がされています。

臨床工学技士として、血液浄化療法に携わると必ず薬について勉強をする時が来ます。
今回の実習で体験した内容をぜひ臨床の現場で生かしてください。

Comments [0]

Comment form
cookie

Trackbacks [0]

Trackback URI


東海医療科学専門学校へ

Entries
Categories
Recommend
Montyly archives
Recent comments
Recent trackbacks
Links
Feed

全文検索