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PCPS(経皮的心肺補助法)とは?
2010.12.14

臨床工学科2年生の体外循環療法の実習にて、PCPSの授業を行いました。

今回のブログで、PCPSについて説明をしたいと思います。

PCPSとは、(Percutaneous Cardio Pulmonary Support)の略で経皮的心肺補助法です。PCPSは遠心ポンプと人工肺から成り立っていて心臓と肺の機能の役割を代行します。つまり心臓と肺の補助をするわけです。

これは心筋梗塞や心臓手術の後などで、心臓の機能が非常に悪く、自分自身の心臓の拍出だけでは全身への循環血液量を保つことができない場合に使用します。このPCPS装置は、特殊な管(カテーテル)を右心房あたり、と大腿動脈に挿入します。全身から右心房に帰ってくる静脈血を遠心ポンプの力を利用して吸い取り(引き出し)その血液を人工肺に通して酸素化して大腿動脈から全身に送ります。そうすることで心臓と肺の代行を行います。

このPCPS装置を使うということは、かなりの重症です。つまり心臓の動きが悪いということです。

PCPS(経皮的心肺補助法)01  PCPS(経皮的心肺補助法)02

PCPSの基本構成の説明です。


<遠心ポンプ(血液ポンプ)>

PCPS(経皮的心肺補助法)17

・PCPSの血液ポンプは長期使用が前提になることから、遠心ポンプのみ血液ポンプとして使用可能である。

・その遠心ポンプ装置は、ポンプヘッド、駆動および制御装置、流量計(血流計)、バッテリなどで構成されている。

・このポンプの利点は血球被壊が極めて少なく、欠点は送血圧(後負荷)により拍出量が変化するため必ず血流計が必要であり、回転数では拍出量を把握できない。

・補助流量は通常2〜4L/minである。

・また注意事項として、低拍出量にした際、送血圧が体血圧に負け、血液が逆流することと、多量の空気が混入した場合には羽根様な構造部が空転し、患者に空気を送り込む心配がない反面、血液の拍出ができなくなる。

<人工肺>

PCPS(経皮的心肺補助法)18

・PCPSで使用される人工肺は、閉鎖回路内に組み込むことができ、長期的にガス交換能に優れ、血液損傷や血液充填量が少ないものが好ましい。

・一般的に膜型人工肺で、均質摸素材や複合膜素材のものを使用するが、膜に細孔がある多孔質膜であり外部灌流型のものが最近では使用されている。

・さらに血液回路と同様に抗血栓性に優れたコーティングを人工肺にも施し、長期の補助循環などに臨床使用されている。人工肺へガスを供給する酸素ブレンダや体温調節を行う熱交換器なども付属する。

<血液回路>

・血液回路は患者とPCPS装置の構成要素との橋渡し役をする。

・一般に血液回路の材質には人工心肺と同様に塩化ピニルが使用し、血液が空気に触れる部分がない閉鎖回路の血液回路である。

・さらに長時間の循環による血栓形成を予防する為、血液回路にはなるべく血液の停滞部分や分岐部をなくする工夫をする。また、回路には人工肺と同様に血液接触面に対する抗血栓性に優れたコーティングを施し、生体適合性を向上させ、抗凝固剤量の低減やそれに伴う出血防止に努めている。

PCPS(経皮的心肺補助法)03  PCPS(経皮的心肺補助法)04  PCPS(経皮的心肺補助法)05

PCPS(経皮的心肺補助法)06  PCPS(経皮的心肺補助法)07  PCPS(経皮的心肺補助法)08

<PCPSの長所・短所>

長所
①血液損傷(溶血)が少ない。

②空気を送り込む危険性が少ない。空気が流入した場合、ポンプ作用が著しく低下するため、空気を送り込む危険性はローラーポンプより小さい。
 
③脱血に過度の陰圧を生じない。陰圧が生じると流量が低下するため、ローラーポンプに比べてマイクロバブルの発生が少ない。

④危険な高圧が発生しない。圧力発生型のポンプであり、回路・肺が破損するような高圧は発生しない。

⑤オクリュージョンの調整が不要。

⑥ポンプヘッドの摩耗が少なく、耐久性に優れている。

⑦駆動装置が小型でバッテリーを内蔵する機種が多く可動性に優れている。

⑧全身麻酔は不要である(多くの場合は局所麻酔のみ)。

短所
①負荷変動により流量が変化する。同じ回転数で運転していても圧力負荷(後負荷)が変動すると流量が変化するため、常に回転数を操作する必要がある。

②吸引・ベントポンプとして使用できない。空気を送ることが出来ないので使用できない。

③逆流の危険性回転が停止もしくは低流量の場合、動脈圧により逆流が生じるため、クランプする必要がある。

④完全体外循環はできない。

PCPS(経皮的心肺補助法)09  PCPS(経皮的心肺補助法)10  PCPS(経皮的心肺補助法)11

PCPS(経皮的心肺補助法)12  PCPS(経皮的心肺補助法)13  PCPS(経皮的心肺補助法)14

<適応病態>
・体外循環離脱困難症

・OPE後の低心拍出量症候群(LOS)難治性不整脈

・急性心筋梗塞後心源性ショック

・心筋炎による低心拍出量症候群

・重症冠動脈疾患症例(PTCA・STENT)の施行時

・呼吸不全に対するECMOなど

※両室の前負荷の軽減になるが、左心室からの拍出は残るので流量が多い場合、かえって後負荷の増大を招く恐れがある。

PCPS(経皮的心肺補助法)15  PCPS(経皮的心肺補助法)19  PCPS(経皮的心肺補助法)20

PCPSを使用している間は、循環血液量は保つことができますが、結局は心臓の機能が回復しないとPCPSを外す(離脱)ことができません。このような装置の運転や操作等を医師の指示を得て行うのが臨床工学技士の業務の一つと言えます。

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PCPS(経皮的心肺補助法)とは?

臨床工学科2年生の体外循環療法の実習にて、PCPSの授業を行いました。

今回のブログで、PCPSについて説明をしたいと思います。

PCPSとは、(Percutaneous Cardio Pulmonary Support)の略で経皮的心肺補助法です。PCPSは遠心ポンプと人工肺から成り立っていて心臓と肺の機能の役割を代行します。つまり心臓と肺の補助をするわけです。

これは心筋梗塞や心臓手術の後などで、心臓の機能が非常に悪く、自分自身の心臓の拍出だけでは全身への循環血液量を保つことができない場合に使用します。このPCPS装置は、特殊な管(カテーテル)を右心房あたり、と大腿動脈に挿入します。全身から右心房に帰ってくる静脈血を遠心ポンプの力を利用して吸い取り(引き出し)その血液を人工肺に通して酸素化して大腿動脈から全身に送ります。そうすることで心臓と肺の代行を行います。

このPCPS装置を使うということは、かなりの重症です。つまり心臓の動きが悪いということです。

PCPS(経皮的心肺補助法)01  PCPS(経皮的心肺補助法)02

PCPSの基本構成の説明です。


<遠心ポンプ(血液ポンプ)>

PCPS(経皮的心肺補助法)17

・PCPSの血液ポンプは長期使用が前提になることから、遠心ポンプのみ血液ポンプとして使用可能である。

・その遠心ポンプ装置は、ポンプヘッド、駆動および制御装置、流量計(血流計)、バッテリなどで構成されている。

・このポンプの利点は血球被壊が極めて少なく、欠点は送血圧(後負荷)により拍出量が変化するため必ず血流計が必要であり、回転数では拍出量を把握できない。

・補助流量は通常2〜4L/minである。

・また注意事項として、低拍出量にした際、送血圧が体血圧に負け、血液が逆流することと、多量の空気が混入した場合には羽根様な構造部が空転し、患者に空気を送り込む心配がない反面、血液の拍出ができなくなる。

<人工肺>

PCPS(経皮的心肺補助法)18

・PCPSで使用される人工肺は、閉鎖回路内に組み込むことができ、長期的にガス交換能に優れ、血液損傷や血液充填量が少ないものが好ましい。

・一般的に膜型人工肺で、均質摸素材や複合膜素材のものを使用するが、膜に細孔がある多孔質膜であり外部灌流型のものが最近では使用されている。

・さらに血液回路と同様に抗血栓性に優れたコーティングを人工肺にも施し、長期の補助循環などに臨床使用されている。人工肺へガスを供給する酸素ブレンダや体温調節を行う熱交換器なども付属する。

<血液回路>

・血液回路は患者とPCPS装置の構成要素との橋渡し役をする。

・一般に血液回路の材質には人工心肺と同様に塩化ピニルが使用し、血液が空気に触れる部分がない閉鎖回路の血液回路である。

・さらに長時間の循環による血栓形成を予防する為、血液回路にはなるべく血液の停滞部分や分岐部をなくする工夫をする。また、回路には人工肺と同様に血液接触面に対する抗血栓性に優れたコーティングを施し、生体適合性を向上させ、抗凝固剤量の低減やそれに伴う出血防止に努めている。

PCPS(経皮的心肺補助法)03  PCPS(経皮的心肺補助法)04  PCPS(経皮的心肺補助法)05

PCPS(経皮的心肺補助法)06  PCPS(経皮的心肺補助法)07  PCPS(経皮的心肺補助法)08

<PCPSの長所・短所>

長所
①血液損傷(溶血)が少ない。

②空気を送り込む危険性が少ない。空気が流入した場合、ポンプ作用が著しく低下するため、空気を送り込む危険性はローラーポンプより小さい。
 
③脱血に過度の陰圧を生じない。陰圧が生じると流量が低下するため、ローラーポンプに比べてマイクロバブルの発生が少ない。

④危険な高圧が発生しない。圧力発生型のポンプであり、回路・肺が破損するような高圧は発生しない。

⑤オクリュージョンの調整が不要。

⑥ポンプヘッドの摩耗が少なく、耐久性に優れている。

⑦駆動装置が小型でバッテリーを内蔵する機種が多く可動性に優れている。

⑧全身麻酔は不要である(多くの場合は局所麻酔のみ)。

短所
①負荷変動により流量が変化する。同じ回転数で運転していても圧力負荷(後負荷)が変動すると流量が変化するため、常に回転数を操作する必要がある。

②吸引・ベントポンプとして使用できない。空気を送ることが出来ないので使用できない。

③逆流の危険性回転が停止もしくは低流量の場合、動脈圧により逆流が生じるため、クランプする必要がある。

④完全体外循環はできない。

PCPS(経皮的心肺補助法)09  PCPS(経皮的心肺補助法)10  PCPS(経皮的心肺補助法)11

PCPS(経皮的心肺補助法)12  PCPS(経皮的心肺補助法)13  PCPS(経皮的心肺補助法)14

<適応病態>
・体外循環離脱困難症

・OPE後の低心拍出量症候群(LOS)難治性不整脈

・急性心筋梗塞後心源性ショック

・心筋炎による低心拍出量症候群

・重症冠動脈疾患症例(PTCA・STENT)の施行時

・呼吸不全に対するECMOなど

※両室の前負荷の軽減になるが、左心室からの拍出は残るので流量が多い場合、かえって後負荷の増大を招く恐れがある。

PCPS(経皮的心肺補助法)15  PCPS(経皮的心肺補助法)19  PCPS(経皮的心肺補助法)20

PCPSを使用している間は、循環血液量は保つことができますが、結局は心臓の機能が回復しないとPCPSを外す(離脱)ことができません。このような装置の運転や操作等を医師の指示を得て行うのが臨床工学技士の業務の一つと言えます。

2010.12.14

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