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心臓の刺激伝導を代行する装置(ペースメーカ)
2011.04.19

先週に引き続き、医用機器安全管理実習の授業にてメドトロニックの方のご協力により、ペースメーカについての講義を受けました。

今回は、ペースメーカについて少し専門的な説明をしたいと思います。

メドトロニクス - ペースメーカ講義01  メドトロニクス - ペースメーカ講義02


 
<ペースメーカー治療について>

心臓が拍動するには、刺激伝導系が正常に働いていることが大切です。この刺激を発生している激を発生する洞結節あるいは刺激を伝える電線ともいうべき心臓刺激伝導系の故障を治すことは内科的には大変難しく、その効果は必ずしも確実ではありません。多くの場合、永久的に修復することは困難です。

そこで登場したのが心臓ペーシング療法です。これは、故障した洞結節あるいは刺激伝導系のかわりに人工的な電極を心房または心室に装着し、正常は心拍数と同じような感覚でペースメーカーからごく微量の電気を送り、心臓を刺激する治療法です。

メドトロニクス - ペースメーカ講義04  メドトロニクス - ペースメーカ講義03

メドトロニクス - ペースメーカ講義04  メドトロニクス - ペースメーカ講義05

<ペースメーカの適応疾患>
適応・治療の対象
ペースメーカの適応となるのは基本的に徐脈に対する疾患です。よって、
完全房室ブロック
Ⅱ度の房室ブロック(モービッツⅡ型)
洞機能不全症候群(SSS)

※心室性頻拍 (頻脈停止機能をもったペースメーカ、ICDで対応)

適応となる心電図所見
拍数が40回/分以下
P-R波間隔が3秒以上(3秒以上の心停止)

対象外
頻脈にする治療はまず薬剤による内科的な治療を試みるのが原則であり、大部分の頻脈は薬剤療法でコントロールが可能。
WPW症候群はカテーテルアブレーションにて治療をおこなっている。(心血管系インターベンション装置参照)
呼吸性不整脈
心房細動
心室期外収縮

メドトロニクス - ペースメーカ講義06  メドトロニクス - ペースメーカ講義07

メドトロニクス - ペースメーカ講義08  メドトロニクス - ペースメーカ講義09

ペースメーカのモード(ぺーシングモード)
①固定レート型
患者の自発心拍の有無にかかわらず、設定されたレートで刺激パルスを出す方式。
患者の自発心拍の受攻期(T波)に刺激が加わると逆に危険な不整脈(心室細動)を生ずる恐れがある。

②デマンド型
常に患者の自発心電図を監視しており(心電図検出回路と心電図アンプを内蔵)、自発心拍との競合を避けるように刺激を出す方式。
抑制型と同期型がある。

③心拍応答型(レートレスポンス型)
運動しても自発心拍が増えない洞性徐脈に対しての真の生理的ペースメーカ。
身体の要求をセンサによって感知し、レートを自動的に変更する。

さらにペースメーカは様々な働きを設定することが出来ます。
そのモードと特徴を一部紹介します。

1.VVI(ペーシング:心室、センシング:心室、制御:抑制型)(R波抑制型心室ペースメーカ)
心室にのみリードを留置し、抑制型デマンド機能を用い心室の最低心拍数を補償するモード。
心室のみでぺーシングとセンシングを行うため、生理的な心房と心室の協調性得られず、徐脈性心房細動への適応以外は非生理的なぺーシングとなる。
体外式ペースメーカによる一時的ぺーシング時によく用いられる。

2.AAI(ペーシング:心房、センシング:心房、制御:抑制型)(P波抑制型心房ペースメーカ)
心房のみにリードを留置し、抑制型デマンド機能を用いぺーシングとセンシングを行う。
房室伝導の正常な洞不全症候群が適応となり、生理的ぺーシングが可能。

3.AOO、VOO(ペーシング:心房、センシング:なし、制御:なし)
固定レートモードと呼ばれる。
心房または心室を設定した基本レートでぺーシングを行う。
よって自己心拍が出現してもぺーシングは抑制されない。
心臓手術の人工心肺離脱時、ペースメーカ依存患者に対して電気メスや高周波治療装置などを用いる時のEMIによるオーバーセンシングを回避する場合など、一時的に用いられる。

4.DDD(ペーシング:心房・心室、センシング:心房・心室、制御:同期・抑制型)(房室ユニバーサル型生理的ペースメーカ)
右心房(多くは右心耳)と右心室の心先部にそれぞれリードを挿入し、心房と心室の動きを監視します。
あらかじめ設定した数値より心拍数が少ない場合、まず心房を電気刺激(ペーシング)し、その後ある一定の時間それに引き継く心室の収縮がなければ、心室も電気刺激(ペーシング)によって収縮を起こさせます(心房—心室順次ペーシング)
一定の数以上の心房の収縮が存在するのに、その信号が心室に伝わらない場合、心房収縮の一定時間後に心室も電気刺激(ペーシング)によって収縮を起こされます。
リードを2本用い、心房と心室の両方でぺーシングとセンシングを行う。
一般的には心房電極を右心耳に、心室電極を右室心尖部に留置する。
自己の心房レートを設定した基本レートより少なくなれば房室ぺーシングを行い、基本レート以上であれば房室ぺーシングは抑制される。
心房ぺーシングまたは心房波をセンシングした時点から、設定したAVディレイ(P波とR波の間隔)の間に心室波が検出されない場合は心室ぺーシングが行われ、検出された場合には心室ぺーシングが可能である。
慢性心房細動以外のすべての徐脈性不整脈が適応となり、広く使用されている。
出力は刺激閾値よりも十分に大きく設定する。
→ 心房は心室より少し高くする(不安定のため、出力を高めにする)
完全房室ブロックの患者に用いるとVAT動作(V:心室ぺーシング、A:心房センシング、T:心房に同期)になる。

5.VDD(ペーシング:心室、センシング:心房・心室、制御:同期・抑制型)(R波抑制P波同期型心室ペースメーカ)
心房、心室のセンシングを行い、心室のみをぺーシングする。
心房波を検出しそれに同期させ、AVディレイの間に心室波を検出したら刺激を抑制し、検出しなければぺーシングを行う。
心房ぺーシングはできないため、洞機能が正常な房室ブロックに対し適応される。
現在はVDD専用のリードが使用できる(リードの途中の右房に位置する部分にセンシング専用電極、リード先端に心室のペーシングおよびセンシングを行う電極が1本のリードに装備されている)。
心房センシング専用電極はリード途中の心房内に位置するリング電極を用いるため、必ずしも心房壁と接触しておらず、心房で検出される心内電位波高が低くなる可能性がある。
1本のリード内に4本の導線が組み込まれるためリードは太く、複雑な構造になる。

6.DDI(ペーシング:心房・心室、センシング:心房・心室、制御:抑制型)
DDDモード同様、心房と心室にそれぞれリードを留置するが、DDDモードのような心房に同期するトラッキング機能は備えていない。
心室の自己心拍が設定した基本レートより低い場合は心室を刺激するが、それにAVディレイだけ先行して心房ペーシングも行う。したがって、心房と心室の協調性を保った心室ペーシングまたは自己心拍が続くが、心房の自己心拍が基本レートを上回った場合は心臓ペーシングが抑制されるため、心房との同期は行われず、心室に対してはVVIの動作が行われる。
DDDモードで作動中、心室性頻拍が持続するのを検知すると一時的にDDIモードへ切り替わる機能(モードスイッチ)も用いられる。

7.DDDRモード
DDDモードの機能に、体動などでペーシング心拍数が自動的に増加するレート応答機能を付加したものです。

メドトロニクス - ペースメーカ講義10  メドトロニクス - ペースメーカ講義11

メドトロニクス - ペースメーカ講義12  メドトロニクス - ペースメーカ講義13

ここまでの説明は、ペースメーカを知る上でごく一部の情報・知識でしかありません。
臨床工学技士の業務として最近では、ペースメーカ業務を積極的に行っている病院が増えてきました。

今回の講義で難しいと思った学生も居たかもしれませんが、
臨床工学技士が携わる、心臓ペースメーカで助かる命があるのも事実です。

是非、患者さんのためにも頑張って勉強してください。

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心臓の刺激伝導を代行する装置(ペースメーカ)

先週に引き続き、医用機器安全管理実習の授業にてメドトロニックの方のご協力により、ペースメーカについての講義を受けました。

今回は、ペースメーカについて少し専門的な説明をしたいと思います。

メドトロニクス - ペースメーカ講義01  メドトロニクス - ペースメーカ講義02


 
<ペースメーカー治療について>

心臓が拍動するには、刺激伝導系が正常に働いていることが大切です。この刺激を発生している激を発生する洞結節あるいは刺激を伝える電線ともいうべき心臓刺激伝導系の故障を治すことは内科的には大変難しく、その効果は必ずしも確実ではありません。多くの場合、永久的に修復することは困難です。

そこで登場したのが心臓ペーシング療法です。これは、故障した洞結節あるいは刺激伝導系のかわりに人工的な電極を心房または心室に装着し、正常は心拍数と同じような感覚でペースメーカーからごく微量の電気を送り、心臓を刺激する治療法です。

メドトロニクス - ペースメーカ講義04  メドトロニクス - ペースメーカ講義03

メドトロニクス - ペースメーカ講義04  メドトロニクス - ペースメーカ講義05

<ペースメーカの適応疾患>
適応・治療の対象
ペースメーカの適応となるのは基本的に徐脈に対する疾患です。よって、
完全房室ブロック
Ⅱ度の房室ブロック(モービッツⅡ型)
洞機能不全症候群(SSS)

※心室性頻拍 (頻脈停止機能をもったペースメーカ、ICDで対応)

適応となる心電図所見
拍数が40回/分以下
P-R波間隔が3秒以上(3秒以上の心停止)

対象外
頻脈にする治療はまず薬剤による内科的な治療を試みるのが原則であり、大部分の頻脈は薬剤療法でコントロールが可能。
WPW症候群はカテーテルアブレーションにて治療をおこなっている。(心血管系インターベンション装置参照)
呼吸性不整脈
心房細動
心室期外収縮

メドトロニクス - ペースメーカ講義06  メドトロニクス - ペースメーカ講義07

メドトロニクス - ペースメーカ講義08  メドトロニクス - ペースメーカ講義09

ペースメーカのモード(ぺーシングモード)
①固定レート型
患者の自発心拍の有無にかかわらず、設定されたレートで刺激パルスを出す方式。
患者の自発心拍の受攻期(T波)に刺激が加わると逆に危険な不整脈(心室細動)を生ずる恐れがある。

②デマンド型
常に患者の自発心電図を監視しており(心電図検出回路と心電図アンプを内蔵)、自発心拍との競合を避けるように刺激を出す方式。
抑制型と同期型がある。

③心拍応答型(レートレスポンス型)
運動しても自発心拍が増えない洞性徐脈に対しての真の生理的ペースメーカ。
身体の要求をセンサによって感知し、レートを自動的に変更する。

さらにペースメーカは様々な働きを設定することが出来ます。
そのモードと特徴を一部紹介します。

1.VVI(ペーシング:心室、センシング:心室、制御:抑制型)(R波抑制型心室ペースメーカ)
心室にのみリードを留置し、抑制型デマンド機能を用い心室の最低心拍数を補償するモード。
心室のみでぺーシングとセンシングを行うため、生理的な心房と心室の協調性得られず、徐脈性心房細動への適応以外は非生理的なぺーシングとなる。
体外式ペースメーカによる一時的ぺーシング時によく用いられる。

2.AAI(ペーシング:心房、センシング:心房、制御:抑制型)(P波抑制型心房ペースメーカ)
心房のみにリードを留置し、抑制型デマンド機能を用いぺーシングとセンシングを行う。
房室伝導の正常な洞不全症候群が適応となり、生理的ぺーシングが可能。

3.AOO、VOO(ペーシング:心房、センシング:なし、制御:なし)
固定レートモードと呼ばれる。
心房または心室を設定した基本レートでぺーシングを行う。
よって自己心拍が出現してもぺーシングは抑制されない。
心臓手術の人工心肺離脱時、ペースメーカ依存患者に対して電気メスや高周波治療装置などを用いる時のEMIによるオーバーセンシングを回避する場合など、一時的に用いられる。

4.DDD(ペーシング:心房・心室、センシング:心房・心室、制御:同期・抑制型)(房室ユニバーサル型生理的ペースメーカ)
右心房(多くは右心耳)と右心室の心先部にそれぞれリードを挿入し、心房と心室の動きを監視します。
あらかじめ設定した数値より心拍数が少ない場合、まず心房を電気刺激(ペーシング)し、その後ある一定の時間それに引き継く心室の収縮がなければ、心室も電気刺激(ペーシング)によって収縮を起こさせます(心房—心室順次ペーシング)
一定の数以上の心房の収縮が存在するのに、その信号が心室に伝わらない場合、心房収縮の一定時間後に心室も電気刺激(ペーシング)によって収縮を起こされます。
リードを2本用い、心房と心室の両方でぺーシングとセンシングを行う。
一般的には心房電極を右心耳に、心室電極を右室心尖部に留置する。
自己の心房レートを設定した基本レートより少なくなれば房室ぺーシングを行い、基本レート以上であれば房室ぺーシングは抑制される。
心房ぺーシングまたは心房波をセンシングした時点から、設定したAVディレイ(P波とR波の間隔)の間に心室波が検出されない場合は心室ぺーシングが行われ、検出された場合には心室ぺーシングが可能である。
慢性心房細動以外のすべての徐脈性不整脈が適応となり、広く使用されている。
出力は刺激閾値よりも十分に大きく設定する。
→ 心房は心室より少し高くする(不安定のため、出力を高めにする)
完全房室ブロックの患者に用いるとVAT動作(V:心室ぺーシング、A:心房センシング、T:心房に同期)になる。

5.VDD(ペーシング:心室、センシング:心房・心室、制御:同期・抑制型)(R波抑制P波同期型心室ペースメーカ)
心房、心室のセンシングを行い、心室のみをぺーシングする。
心房波を検出しそれに同期させ、AVディレイの間に心室波を検出したら刺激を抑制し、検出しなければぺーシングを行う。
心房ぺーシングはできないため、洞機能が正常な房室ブロックに対し適応される。
現在はVDD専用のリードが使用できる(リードの途中の右房に位置する部分にセンシング専用電極、リード先端に心室のペーシングおよびセンシングを行う電極が1本のリードに装備されている)。
心房センシング専用電極はリード途中の心房内に位置するリング電極を用いるため、必ずしも心房壁と接触しておらず、心房で検出される心内電位波高が低くなる可能性がある。
1本のリード内に4本の導線が組み込まれるためリードは太く、複雑な構造になる。

6.DDI(ペーシング:心房・心室、センシング:心房・心室、制御:抑制型)
DDDモード同様、心房と心室にそれぞれリードを留置するが、DDDモードのような心房に同期するトラッキング機能は備えていない。
心室の自己心拍が設定した基本レートより低い場合は心室を刺激するが、それにAVディレイだけ先行して心房ペーシングも行う。したがって、心房と心室の協調性を保った心室ペーシングまたは自己心拍が続くが、心房の自己心拍が基本レートを上回った場合は心臓ペーシングが抑制されるため、心房との同期は行われず、心室に対してはVVIの動作が行われる。
DDDモードで作動中、心室性頻拍が持続するのを検知すると一時的にDDIモードへ切り替わる機能(モードスイッチ)も用いられる。

7.DDDRモード
DDDモードの機能に、体動などでペーシング心拍数が自動的に増加するレート応答機能を付加したものです。

メドトロニクス - ペースメーカ講義10  メドトロニクス - ペースメーカ講義11

メドトロニクス - ペースメーカ講義12  メドトロニクス - ペースメーカ講義13

ここまでの説明は、ペースメーカを知る上でごく一部の情報・知識でしかありません。
臨床工学技士の業務として最近では、ペースメーカ業務を積極的に行っている病院が増えてきました。

今回の講義で難しいと思った学生も居たかもしれませんが、
臨床工学技士が携わる、心臓ペースメーカで助かる命があるのも事実です。

是非、患者さんのためにも頑張って勉強してください。

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