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ミルフィーユのダイアライザ
2010.05.22

血液浄化療法の実習にて、昨年同様積層型ダイアライザの特別講義のためにガンブロ株式会社の方にご協力いただきました。

積層型ダイアライザ01  積層型ダイアライザ02
  


 
積層型ダイアライザを臨床の現場で見ることは少ないです。
しかし、その積層型に期待する治療効果が最近見直されつつあります。
今回は、積層型ダイアライザについてのプレゼンテーション、そしてプライミング方法を学びました。

積層型ダイアライザ03  積層型ダイアライザ04
積層型ダイアライザ05  積層型ダイアライザ06

上記の写真が積層型ダイアライザと中空糸型ダイアライザです。
四角い形のものが、積層型ダイアライザです。

ダイアライザの分類には以下のものがあります。
コイル型(0%)
中空糸型(98.5%)
積層型(1.5%)

現在もっともシェアが多い中空糸型ダイアライザは中空糸と呼ばれるストロー状になった細い筒(太さは髪の毛3本分ほど)が8000〜12000本束ねられ、ポッティング剤にて固定されています。

積層型はダイアライザ膜素材を平面にし、ミルフィーユ構造のように折りたたんだ構造となっています。

積層型ダイアライザ07  積層型ダイアライザ08

積層型ダイアライザ09  積層型ダイアライザ10

積層型ダイアライザ11  積層型ダイアライザ12

この積層型ダイアライザ(H12ヘモダイアライザ)の特徴としては以下のような内容があります。

1.陰性荷電を有し、物質を吸着することで補体活性が少なく、炎症反応も少なく臨床的に痒み・痛みが軽減し、併せて長期合併症の頻度も少ない。

2.積層型は構造上、逆濾過のリスクが少ない。

3.積層型は構造上、縦に39〜57層の膜内を流れるため、血液が凝固し難い。
(血液の接触する抵抗がファイバーに比べ少ないため凝固せず、補体活性せず、炎症反応も起こらない。中空糸型に比べ残血も少ない)

4.安全機構が備わっている。
(ダイアライザ内に一定以上の圧が上がった場合(プライミング、穿刺時)内圧を下げる為に側面に生理食塩水、血液を逃がす機構がある)

5.血液とポッティング剤との接触がない。
                      など

また、カタログの背面をみると他のダイアライザにはない項目”焼却時発熱量”などという記載もあります。

積層型ダイアライザ13  積層型ダイアライザ14

積層型ダイアライザ15  積層型ダイアライザ16

積層型の利点と欠点は以下の通りです。

積層型利点
高い圧が加わった時、側面のデッドスペースに圧を逃がす構造
逆濾過現象(バックフィルトレーション)が起こりにくい。
チャネリングが生じにくい。
中空糸型ダイアライザと比べ生体適合性に優れる
様々な添加剤が使用されていない。
長期合併症(透析アミロイドーシス、手根幹症候群など)の発症率が少ない。

治療効果として
栄養状態の改善
循環動態の安定
MIA症候群に期待
下肢における血流改善の報告あり(凝固活性が低く、末梢までの血液循環が良いことが考えられる)
いらいら解消
掻痒感の解消

※MIA症候群とは
Stenvinkelが提唱した。低栄養状態(Mainutrition)、動脈硬化(Atherosclerosis)、炎症(Inflammation)のそれぞれの頭文字を取った名称。透析患者の多くはこれらの3つの症状を合併することが多いため、この3要素が透析患者の生命予後に大きく関わることが患者調査よりわかった。これらをMIA症候群と呼ぶ。

透析導入前患者におけるMIA症候群値
動脈硬化(72%):AGE-peptide、酸化ストレス、遺伝的要因)
低栄養状態(44%):貧血、低アルブミン状態、アミノ酸漏出、レプチン蓄積
炎症(32%):サイトカイン、CRP値上昇、エンドトキシンなどの上昇

積層型欠点
普及率が低い(1.5%程度)。
大量生産ができない(作りにくい)
コスト(価格)が高い。
膜自体が陰性荷電をもち、吸着性が高いためクリアランス低下の懸念がある。
抗凝固剤によっては膜の陰性荷電により吸着されるケースがある。
脱血量が多い。
ACE阻害薬との使用は禁忌
プライミング、開始操作における手技の一部変更(中空糸型と比べ)。

積層型ダイアライザ17  積層型ダイアライザ18

積層型ダイアライザ19

これからの目指す透析療法の目標にはいくつかあります。
透析中の循環動態の安定化を計りたい
しっかりと、小・中・大分子領域の尿毒症物質を除去したい。
可能であれば炎症性サイトカインの除去もしたい。
栄養状態の改善もしたい。

血液浄化療法の種類には様々な方法があります。

現在では血液透析の受けている患者さんは約30万人近くいます。
その一人一人の患者さんが、より安定し、安心な血液浄化療法を受ける。
今回の積層型ダイアライザの選択も、その1つに入るでしょう。

 

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血液浄化療法の実習にて、昨年同様積層型ダイアライザの特別講義のためにガンブロ株式会社の方にご協力いただきました。

積層型ダイアライザ01  積層型ダイアライザ02
  


 
積層型ダイアライザを臨床の現場で見ることは少ないです。
しかし、その積層型に期待する治療効果が最近見直されつつあります。
今回は、積層型ダイアライザについてのプレゼンテーション、そしてプライミング方法を学びました。

積層型ダイアライザ03  積層型ダイアライザ04
積層型ダイアライザ05  積層型ダイアライザ06

上記の写真が積層型ダイアライザと中空糸型ダイアライザです。
四角い形のものが、積層型ダイアライザです。

ダイアライザの分類には以下のものがあります。
コイル型(0%)
中空糸型(98.5%)
積層型(1.5%)

現在もっともシェアが多い中空糸型ダイアライザは中空糸と呼ばれるストロー状になった細い筒(太さは髪の毛3本分ほど)が8000〜12000本束ねられ、ポッティング剤にて固定されています。

積層型はダイアライザ膜素材を平面にし、ミルフィーユ構造のように折りたたんだ構造となっています。

積層型ダイアライザ07  積層型ダイアライザ08

積層型ダイアライザ09  積層型ダイアライザ10

積層型ダイアライザ11  積層型ダイアライザ12

この積層型ダイアライザ(H12ヘモダイアライザ)の特徴としては以下のような内容があります。

1.陰性荷電を有し、物質を吸着することで補体活性が少なく、炎症反応も少なく臨床的に痒み・痛みが軽減し、併せて長期合併症の頻度も少ない。

2.積層型は構造上、逆濾過のリスクが少ない。

3.積層型は構造上、縦に39〜57層の膜内を流れるため、血液が凝固し難い。
(血液の接触する抵抗がファイバーに比べ少ないため凝固せず、補体活性せず、炎症反応も起こらない。中空糸型に比べ残血も少ない)

4.安全機構が備わっている。
(ダイアライザ内に一定以上の圧が上がった場合(プライミング、穿刺時)内圧を下げる為に側面に生理食塩水、血液を逃がす機構がある)

5.血液とポッティング剤との接触がない。
                      など

また、カタログの背面をみると他のダイアライザにはない項目”焼却時発熱量”などという記載もあります。

積層型ダイアライザ13  積層型ダイアライザ14

積層型ダイアライザ15  積層型ダイアライザ16

積層型の利点と欠点は以下の通りです。

積層型利点
高い圧が加わった時、側面のデッドスペースに圧を逃がす構造
逆濾過現象(バックフィルトレーション)が起こりにくい。
チャネリングが生じにくい。
中空糸型ダイアライザと比べ生体適合性に優れる
様々な添加剤が使用されていない。
長期合併症(透析アミロイドーシス、手根幹症候群など)の発症率が少ない。

治療効果として
栄養状態の改善
循環動態の安定
MIA症候群に期待
下肢における血流改善の報告あり(凝固活性が低く、末梢までの血液循環が良いことが考えられる)
いらいら解消
掻痒感の解消

※MIA症候群とは
Stenvinkelが提唱した。低栄養状態(Mainutrition)、動脈硬化(Atherosclerosis)、炎症(Inflammation)のそれぞれの頭文字を取った名称。透析患者の多くはこれらの3つの症状を合併することが多いため、この3要素が透析患者の生命予後に大きく関わることが患者調査よりわかった。これらをMIA症候群と呼ぶ。

透析導入前患者におけるMIA症候群値
動脈硬化(72%):AGE-peptide、酸化ストレス、遺伝的要因)
低栄養状態(44%):貧血、低アルブミン状態、アミノ酸漏出、レプチン蓄積
炎症(32%):サイトカイン、CRP値上昇、エンドトキシンなどの上昇

積層型欠点
普及率が低い(1.5%程度)。
大量生産ができない(作りにくい)
コスト(価格)が高い。
膜自体が陰性荷電をもち、吸着性が高いためクリアランス低下の懸念がある。
抗凝固剤によっては膜の陰性荷電により吸着されるケースがある。
脱血量が多い。
ACE阻害薬との使用は禁忌
プライミング、開始操作における手技の一部変更(中空糸型と比べ)。

積層型ダイアライザ17  積層型ダイアライザ18

積層型ダイアライザ19

これからの目指す透析療法の目標にはいくつかあります。
透析中の循環動態の安定化を計りたい
しっかりと、小・中・大分子領域の尿毒症物質を除去したい。
可能であれば炎症性サイトカインの除去もしたい。
栄養状態の改善もしたい。

血液浄化療法の種類には様々な方法があります。

現在では血液透析の受けている患者さんは約30万人近くいます。
その一人一人の患者さんが、より安定し、安心な血液浄化療法を受ける。
今回の積層型ダイアライザの選択も、その1つに入るでしょう。

 

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